被保険者(労働者)が労災(業務災害または通勤災害)以外で、病気やケガによる私傷病により働けない日が連続して3日以上継続した場合、労務不能4日目から傷病手当金を申請することができます。
ただし、給付を受けるためにはいくつかの条件があります。
支給要件
①療養のため
②仕事に就くことができない状態
③継続する3日間の待機期間を満たしている
支給開始日
支給は継続する3日間の待機期間が必要となります。
原則、労務不能となった日(終業後に労務不能になった場合は翌日)から数えます。
1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | 5日目 | 6日目 | 7日目 | ||
A | 欠 | 欠 | 出 | 欠 | 欠 | 出 | 出 | 6日目以降出勤 支給なし |
B | 欠 | 欠 | 退職 | 3日目退職 支給なし | ||||
C | 欠 | 欠 | 欠 | 出 | 欠 | 欠 | 欠 | 5日目から支給 |
D | 休日 | 休日 | 有休 | 有休 | 有休 | 有休 | 欠 | 7日目から支給 |
Aは、3日間の待機期間が完成しなかったため、支給はありません。
Bは、3日目以降被保険者ではなく待機期間が完成していないため、支給はありません。
Cは、3日目までに待機期間が完成していますが、4日目に出勤して報酬を得ているため報酬のない5日目から労務不能日が計算されます。
Dは、3日目までに待機期間が完成していますが、有休を使い報酬を得ているため報酬の無い7日目から労務不能日が計算されます。
お盆・年末年始などの長期休暇中は、待機期間完成後、休日終了後の労務不能日を計算し支給されます。
半日出勤し業務に服した場合は労務不能とは認められません。
支給期間
支給開始日から起算して、1年6ヵ月が限度です。
注意点
任意継続被保険者は対象外
任意継続被保険者の資格取得後に労務不能となった場合は、傷病手当金は支給されません。
他の給付金と併合ができない
次の給付金を給付する場合傷病手当金は支給されませんが、1日あたりの傷病手当金の額の方が多い場合はその差額が支給されます。
・出産手当金
・障害厚生年金
・老齢退職年金給付
・労災保険法の休業(補償)給付
同じ傷病で受給できない
傷病手当金の支給終了後、数か月後、数年後に再発した場合、再発した傷病の原因が前回と同じだった時は支給されない。
また、支給期間中に別の傷病を併発したときは、そこから3日間の待機期間を経て最長1年6ヵ月の支給になり、支給期間がトータル1年6ヵ月を超える場合もあります。
まとめ
傷病手当金の申請には医者の診断書が必要になります。
申請用紙に医者に診断内容を記載してもらうなど、申請に必要な書類は加入健保によっても異なると思いますので、詳しい申請方法は勤め先の社会保険担当者、または加入健保にお問い合わせください。
労務不能になってから申請したぶんが実際に支給されるまで、1ヵ月~1ヵ月半くらいかかります。